2013 年 26 巻 2 号 p. 211-216
閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する手術治療の代表として, 以前は, 口蓋垂軟口蓋咽頭形成術 (UPPP) が広く行われていた. しかし, その成功率は持続陽圧呼吸法に及ばず, 合併症が高頻度に生じることから, 次第に行われなくなりつつある現状にある. そこでわれわれは, Woodsonらによって報告されたUPPPの変法であり, より高い成功率を示すexpansion sphincter pharyngoplasty (ESP) に着目した. この手技を紹介し, 手術によって睡眠時無呼吸が著明に改善した症例を報告する. また, この手技の適応となる形態学的特徴について考察する.