口腔・咽頭科
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総 説
口蓋扁桃摘出術: 従来法からバイポーラの応用へ
工藤 典代
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2014 年 27 巻 1 号 p. 29-32

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抄録

口蓋扁桃摘出術は従来, 扁桃被膜の鑷子剥離と出血点の絹糸結紮で行っていたが, 現在は高周波凝固切開装置 (オートバイポーラ) を用い剥離と切離・摘出, 出血点の凝固を行っている. 前者を従来法, 後者を現法とし, 総手術時間 (摘出時間と止血時間) と出血量についての比較を, 扁摘経験による術者別に行った. その結果, 術者の経験を問わず, 手術時間も出血量もともに大きく短縮及び減少させることができた. 止血処置を要した術後出血は, 14年間の扁摘1,923例中, 25例 (1.3%) であった. アルゴンプラズマ凝固法を併用しはじめた年は4.1%であったが, 翌年以降には術後出血例は再び年間0から2例となり, 用いた手術機器による差は見られなかった.

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© 2014 日本口腔・咽頭科学会
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