2014 年 27 巻 1 号 p. 3-9
小児閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者に対するアデノイド切除術および口蓋扁桃摘出術が鼻腔抵抗値に与える影響について基礎的, 臨床的に検討を行った. 小児の鼻腔, 咽頭腔を再現したモデルを用いてアデノイド, 口蓋扁桃と鼻腔抵抗値の関係について検討したところ, ポステリオール法では上咽頭の影響を受けた鼻腔抵抗値, アンテリオール法では鼻腔の状態のみを反映した鼻腔抵抗値を測定可能だと判明した. アデノイド切除術, 口蓋扁桃摘出術前後の小児OSAS症例の鼻腔抵抗値とPSG結果を検討した結果, アンテリオール法, 鼻処置なしで測定した鼻腔抵抗値は小児閉塞性睡眠時無呼吸症候群の診断と手術効果予測の参考になる可能性があることが判明した.