口腔・咽頭科
Online ISSN : 1884-4316
Print ISSN : 0917-5105
ISSN-L : 0917-5105
総 説
世界の上気道研究のいま!: 新しいOSAS病因モデル
鈴木 雅明
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 27 巻 1 号 p. 11-16

詳細
抄録

閉塞性無呼吸の成因は解剖学的要因のみでなく, 呼吸中枢不安定性, 咽頭筋反応性, および覚醒閾値の4つの要因の相互作用関係により閉塞性無呼吸が生じているという考え方が近年提唱されてきている. 患者の睡眠中にCPAP圧をかけ, 圧を下げたり上げたりしながら各ポイントでの容積流量 (L/min) の値を計測することにより, 4つの要因の相互関係を解析しそれをグラフ化することにより, OSAS の発症, および重症度が予測できる Wellman の OSAS 病因モデルが注目されている. このモデルは特に肥満がなく解剖的狭窄が顕著でない OSAS 患者において, 手術にてAHIが十分下がらない理由を説明し得ると考えられ, 我々耳鼻咽喉科医 (sleep surgeon) に対して重要なメッセージを示唆している.

著者関連情報
© 2014 日本口腔・咽頭科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top