口腔・咽頭科
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原 著
口蓋扁桃摘出術後のトラネキサム酸12日間投与と後期出血の抑制効果
内田 哲郎永井 裕之
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2017 年 30 巻 2 号 p. 245-249

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抄録

 口蓋扁桃摘出術 (以下, 扁摘と略) 後の術後出血率は出血の定義等により0~50%と幅広く, 超音波メスやコブレーター等の Hot Knife を用いた手術に多いとされる. 中でも術後一週間前後に多い後期出血を減らす術後の具体策は乏しいのが現状である. 術後24時間以上経過した後期出血の定義は唾液への血液混入等, 治療を要しない軽微なエピソードも含めて厳密に評価したところ, 当院で行った超音波メス扁摘術後の45.8%で後期出血を認めた. その後, トラネキサム酸の術後 1g投与を12日間行ったところ, 8%と有意に減少した. トラネキサム酸の術後長期間内服投与による後期出血低減効果が示唆された.

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© 2017 日本口腔・咽頭科学会
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