口腔・咽頭科
Online ISSN : 1884-4316
Print ISSN : 0917-5105
ISSN-L : 0917-5105
総説
下咽頭癌に対するTransoral Videolaryngoscopic Surgery (TOVS) の適応と限界
冨藤 雅之荒木 幸仁宇野 光祐田中 伸吾塩谷 彰浩
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 31 巻 1 号 p. 45-50

詳細
抄録

下咽頭癌に対する経口的切除の適応と限界について解説を行った.下咽頭癌に対するTOVSの適応として以下のものが挙げられる.T分類ではTis-T2,一部のT3病変,N分類ではN2までが良い適応である.局所進行癌に対しては導入化学療法とTOVSを組み合わせた治療も可能である.手術解剖から見ると腫瘍の周在性としては1/2周程度までの病変で甲状軟骨,舌骨,輪状軟骨への浸潤がないものが適応である.年齢的な限界としては80歳代でも可能な症例もあるが,嚥下障害に注意を要する.Salvage,既照射例に関してはrT2病変までであるが合併症を生じやすく適応判断および術後管理には慎重な対応が必要である.

著者関連情報
© 2018 日本口腔・咽頭科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top