口腔・咽頭科
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掌蹠膿疱症の皮膚病変形成機序
田上 八朗高橋 和宏
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2000 年 12 巻 2 号 p. 153-159

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抄録

皮膚には, 生命活動に必須の水分喪失や外界からの有害物質や微生物の侵入を防ぐバリア, かつ水分を保ち皮膚表面を柔らかく保つ角層の存在が必須である.しかし, 角層の存在ゆえに, 掌蹠膿疱症に代表される無菌性膿疱症も生じうる.その皮膚病変では, まず自己反応性のTリンパ球が浸潤し, サイトカインを放出し, ケラチノサイトからケモカインをださせ組織破壊を起こす.その結果, 角層が組織液に露出すると, 補体の活性化が起き, 角層下膿疱がつくられるという二段階の炎症のステップが生じる.扁桃の摘出はTリンパ球の反応性に影響を与えうる病巣を取り除くということで, 皮疹の根治を可能にする.

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© 日本口腔・咽頭科学会
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