2000 年 12 巻 3 号 p. 329-335
掌蹠膿庖症は扁桃病巣感染症の代表的2次疾患として知られている.しかし今までの多くの論文で, 経過観察は扁摘後数年以内に限られていた.今回我々は, 当教室において扁摘後3ヵ月以上の経過観察を行った318例について, 扁摘のPPPに対する臨床効果を評価するとともに, 扁摘後10年以上を経過した33例を取り上げ, 長期経過例として検討を行った.318例中の46%で病変が “消失”, 29%で “著明改善” と評価された.一方, 長期経過例では, “消失” の率は60%にまで上昇し, 症状の再発を訴えたものは3例のみであった.このことは, 扁摘がPPPに対する, 非常に有効で信頼性の高い治療法であることを示しているといえよう.