口腔・咽頭科
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口腔・咽頭癌における多重癌
吉野 邦俊佐藤 武男藤井 隆
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キーワード: 口腔癌, 咽頭癌, 多重癌
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2000 年 12 巻 3 号 p. 337-347

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抄録

口腔, 中下咽頭の一次癌1136例 (1979-97) 中, 多重癌は253例 (22.3%) であり, indexcancer別には中咽頭36%, 下咽頭26%, 口腔20%であった.第2癌の80%は頭頸部 (喉頭, 口腔, 中咽頭, 下咽頭), 食道, 胃, 肺にみられ, 0/E比も高値であった.頭頸部の多重癌は同時性が多く, 90%は自覚症状出現前に早期に発見されていたが, 頭頸部以外は45%に過ぎなかった.5年粗生存率は全体で40.2%で, 第2癌が予後を規定する傾向がみられた.
以上より, 初回診断時の上部消化管, 気道検索の重要性と, 異時癌 (とくに頭頸部以外) の早期発見のためにフォローアップシステムの確立の必要性が示唆された.

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© 日本口腔・咽頭科学会
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