口腔・咽頭科
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キャッスルマン病に併発した悪性リンパ腫症例
山口 宗一末野 康平山口 威柴 和孝関口 奈央
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2004 年 16 巻 3 号 p. 351-356

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抄録

症例は61歳男性で, 閉塞性呼吸障害を伴う口蓋扁桃肥大の精査目的で当科を紹介された.既往歴に約1年前より持続する頸部の多発性リンパ節腫大があり, 生検により組織学的にキャッスルマン病と診断されていた.15歳時に口蓋扁桃摘出術を受けているが, 左側の摘出の際に出血が多量であったため右側は放置されていた.
初診時, 右側の口蓋扁桃は腫瘤状に腫大しており, 左側に扁桃様腫瘤を認めた.呼吸障害を改善する治療目的で, 全身麻酔下に口蓋扁桃摘出術に準じて両側の腫瘤を摘出した.摘出腫瘤の病理組織学的診断はmarginal zone B-cell lymphomaであった.
術後, 呼吸障害は改善され, 現在まで局所の再発を認めていない.キャッスルマン病に併発した悪性リンパ腫について若干の文献的考察を加えて報告した.

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