口腔・咽頭科
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扁桃摘出術が有効であったベーチェット病の4症例
小林 祐希野澤 はやぶさ後藤 孝吉崎 智貴高原 幹原渕 保明
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2005 年 17 巻 3 号 p. 289-296

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抄録

ベーチェット病は, 口腔咽頭などの消化管粘膜潰瘍, ぶどう膜炎などの眼病変, 結節紅斑などの皮膚症状, 外陰部潰瘍など多彩な症状を呈する原因不明の炎症性全身疾患でりしばしば治療に難渋する.
ベーチェット病の中には上気道炎や扁桃炎によって発症または症状の悪化がみられる症があるとの報告があり, 扁桃病巣感染症の一つと考えられている.今回我々は, 扁桃病感染症が疑われたベーチェット病4症例に対し両側口蓋扁桃摘出術 (扁摘) を施行したで報告する.
扁桃炎の既往, および扁桃炎時にベーチェット病の症状が増悪したエピソードのある症例では, 扁摘によって術後に明らかな症状の改善が認められた.他の2症例においてプレドニゾロン等の併用にて症状の改善が認められた.
自覚的なスケールを用いた扁摘後のベーチェット病の改善度を判定した結果は, 今回示した4症例全てにおいてスコアの改善が認められ, 扁摘への満足度は高いものと思わた.

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