2005 年 17 巻 3 号 p. 303-307
症例は48歳女性, 主訴は右顎下部の腫脹.平成14年10月頃から腫脹に気付き, 平成14年11月27日, 歯科医から当科を紹介され受診した.右顎下腺の前方に, 28×20mmの硬い腫瘤を触知した.画像所見とFNAの結果から炎症性腫瘤が疑われ経過観察とした.その後, 腫瘤が増大したために平成15年3月19日, 確定診断目的で摘出した.病理組織診断は, 膿瘍と肉芽組織形成と報告された.平成15年10月6日, 再び同じ部位が腫脹したために外歯瘻を疑った.歯科医へ相談したが, 外歯瘻の可能性は低いと報告された.平成15年12月16日, 痩孔を形成したため, 創部から消息子を挿入したところ下顎骨方向へ痩孔を確認し, その旨を歯科医へ報告した.そこで抜歯が施され, その後現在まで再発を認めていない.