口腔・咽頭科
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急性扁桃炎から縦隔膿瘍, 多臓器不全へと進展した1例
鹿島 直子磯脇 純和上村 祐一宮崎 康博内山 博子松村 益美
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1995 年 7 巻 2 号 p. 157-165

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抄録

急性扁桃炎から扁桃周囲膿瘍, 咽後膿瘍, 縦隔膿瘍を発症し, さらに急性呼吸不全, 多臓器不全へと発展したが, 回復させることが出来た症例を報告した.重症化の原因は患者の全身的防御機能の低下と初期治療に使用した抗生剤が嫌気性菌を制圧し得なかったことによると考えた.救命し得た要因は, 積極的な外科処置 (感染巣の切開開放や気管切開等), 抗生剤の変更 (CLDM, CAZ, IPM/CS) と適切な全身管理 (スワンガンツ・カテーテルの挿入によって循環動態の評価をしつつ人口呼吸管理をする, 時宜を得た血液透析の導入等) によるものであった.おのおの細分化された専門医師の集合による集中治療の意義を再認識した症例であった.

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