1995 年 7 巻 2 号 p. 173-180
睡眠時呼吸障害患者における睡眠中の上気道狭窄の原因の一つとして, 覚醒時の潜在的な上気道狭窄が考えられている.
そこで, 今回我々はこれを確かめるために, 中咽頭計測法を利用して正常者, 食道内圧低値の睡眠時呼吸障害患者, 及び食道内圧高値の睡眠時呼吸障害患者の3者間で解剖学的差異を検討した.
その結果, 正常者と睡眠時呼吸障害患者との間には解剖学的差異が認められた.また, 覚醒時の口峡が狭小な程, 睡眠時呼吸障害が重症である可能性が示唆された.
従って, 覚醒時の口峡形態が睡眠中の上気道狭窄に影響を与える可能性は高いと思われた.