1995 年 7 巻 2 号 p. 199-204
従来扁桃誘発試験におけるパラメータの陽性判定基準はたとえば「赤沈9mm以上の亢進」といった表現で行われてきた.しかし, このような表現は「扁桃の局所病巣の程度と扁桃誘発試験におけるパラメータの変動は比例する」という仮説なしには成立しないはずである.われわれは極超短波間接照射法による扁桃誘発試験におけるパラメータの適否について統計学的に検討した.対象としたパラメータは体温・赤沈・白血球数である.この結果, 体温と赤沈は一部の二次疾患において意義があったが, 従来もっとも変化しうるとされてきた白血球数はほとんどの疾患で有意ではなかった.扁桃病巣感染の診断法の研究において, 扁桃誘発試験のパラメータを厳密に検討することが必要である.