口腔・咽頭科
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Laurence-Moon-Biedle症候群に伴った睡眠時呼吸障害に対するnasal CPAPの応用
工藤 典代佐内 明子
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1995 年 7 巻 2 号 p. 233-238

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抄録

睡眠時呼吸障害の保存治療のひとつにnasalCPAPがある.今回, 心不全を伴った重症の睡眠時呼吸障害の小児の術前にnasalCPAPを応用し, 著明な効果が得られたので報告した.
症例は, Laurence-Moon-Biedle症候群の7歳男児で, 高度の肥満を伴い, アデノイドおよび扁桃の高度肥大があり, 閉塞性の睡眠時呼吸障害が認められた.
外来初診時, 呼吸が停止しSpO2が25%以下に低下, 救急処置を行った.CTRは77%であり心不全を伴っていた.即, ICUに入院し, nasal CPAPを行ったところ, 睡眠中の呼吸障害は消失し, SpO2は90%以上に保たれた.Room airで1週間後にはCTRは60%となり, アデノイド, 扁桃摘出術が安全に施行できた.術後はnasal CPAPを行わなくても睡眠時呼吸障害は消失し, 経過は良好である.

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