2006 年 72 巻 1 号 p. 34-40
ストロー法によるアユ精子の凍結保存方法の開発を目的として,精子を希釈する保存液の組成(凍害防御剤の種類と濃度,希釈液の種類),冷却速度と液体窒素に浸漬する前の到達温度について,解凍した精子の運動比率を指標として検討した。保存液は 10% methanol+90% FBS が適していた。冷却速度は 42.5℃/min,到達温度は-50℃ で最も高い運動率を示した。解凍後,運動開始までの時間が長引くほど,運動率は低下する傾向を示した。上述の方法で凍結・解凍した精子は,新鮮精子に比べてやや長い運動時間を示した。