2006 年 72 巻 1 号 p. 58-64
表層魚及び底棲魚各 5 種の普通肉中の水溶性タンパク質を硫安分画し,セリンプロテアーゼ(S)とシステインプロテアーゼ(C)に対する阻害を調べた結果,S 阻害活性が全魚種の 50-60% 飽和画分に認められ,同画分には C 阻害活性が 6 魚種に認められた。この画分を S と C の活性のあるスケトウダラ冷凍すり身に添加し,40℃ での戻り及びタンパク質の分解に対する抑制効果を検討した結果,マエソ以外の魚種では戻り及びミオシン重鎖の分解を抑制し,その効果は表層魚より底棲魚の方に強い傾向があり,特に,カナド及びトゲカナガシラは強かった。