2007 年 73 巻 1 号 p. 1-7
知多湾における堆積物中の有機物量と有機物の起源を明らかにするために TOC 含有量,δ13C を測定した。知多湾の西域から中央域では,堆積物中の TOC 含有量は海洋で生産された有機物によって高くなっていることが明らかとなった。一方,矢作川河口域では,堆積物中の TOC 含有量や δ13C が地点間で大きく異なっており,堆積物中の化学環境の傾斜が大きいことが明らかとなった。特に,河口域の中央から西側では矢作川から供給される細かい粒子や有機物が多く堆積しており,底質環境に大きな影響を与えていると考えられた。