2007 年 73 巻 1 号 p. 32-42
Gymnodinium catenatumによるヒオウギガイの毒化を高精度に予測するために,2002 年 12 月~03 年 4 月の期間に G. catenatum 細胞密度,海水懸濁物中の毒量,G. catenatum 細胞あたりの毒量,ヒオウギガイ中腸腺毒力を測定した。調査期間中,G. catenatum の出現によりヒオウギガイ中腸腺毒力は 675 MU g-1 に達した。ヒオウギガイの高毒化は G. catenatum 細胞密度,海水懸濁物中の毒量のみならず G. catenatum 細胞あたりの毒量の増加が関係していることが示唆され,これらを考慮することにより,正確なヒオウギガイの毒化予測が可能であった。