種苗放流および漁獲規制の資源量および漁獲量に及ぼす効果を予測するため,加入量変動を考慮した漁獲方程式に基づく単純な個体数動態モデルを構築した。本モデルを瀬戸内海東部海域のサワラの資源回復計画に適用し,目標達成の可能性をシミュレーションにより予測した結果,現行の管理すなわち 5 万尾の種苗放流および秋漁の禁漁を行った場合の目標達成確率は 99.3%,これらを行わない場合の達成確率は 63.4% と予測された。また,水産庁が提案している ABC 管理に基づく漁獲方策に適用し,2030 年までの効果を予測した。