2007 年 73 巻 1 号 p. 51-54
滑走細菌症の原因菌 Tenacibaculum maritimumのホルマリン不活化菌体(以下 FKC)を用いて,マダイにおける浸漬ワクチンの効果を検討した。20 μg/mL の FKC 懸濁海水に 30 分間浸漬した供試魚に対して 3 日後,1 週間後,2 週間後に実験的感染を行ったところ,有効率はそれぞれ 4.0%,56.0%,76.0% であった。また追加免疫効果の検討では,1 回接種区で 59.3%,2 回接種区で 74.1% の有効率が得られた。以上の結果から,滑走細菌症に対する浸漬ワクチンの有効性が示され た。