大阪湾南部の石積み護岸上に形成された藻場において,3 年間にわたり,海藻の現存量とウニ類の分布と食性を調べた。水深 2 m において,小型多年生のスギノリ科の紅藻が周年繁茂し,大型一年生のホンダワラ属やワカメ等の褐藻が冬季に繁茂した。バフンウニとムラサキウニの密度は水深 2 m 以浅で高く,それらの消化管内容物は藻場の構成種に類似していた。護岸上の藻場は高密度のウニ類による強い摂食圧にさらされているが,栄養塩が豊富で海藻の生産力が大きいため,多様な生活型を持つ海藻群落が安定して維持されていると推測された。