日本水産学会誌
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トラフグ人工種苗の減耗要因の検討;天然魚と人工種苗の比較
清水 大輔崎山 一孝阪倉 良孝高谷 智裕高橋 庸一
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2007 年 73 巻 3 号 p. 461-469

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抄録

天然海を模した素掘池(5,300 m2)に捕食魚(タイリクスズキ)の存在する環境を設定し,人工種苗と天然種苗の放流試験を行った。その結果,人工種苗(生残率 56%)は天然種苗(同 86%)より食害されやすかった。水槽実験(水深 33.5 cm)による遊泳水深の比較では,放流直後の人工種苗は天然種苗に比べて表層を遊泳しやすく,素掘池での種苗の行動と一致した。また,フグ毒(TTX)の保有状況は,天然種苗は全て TTX を含有し,人工種苗は全く含有していなかった。種苗間の行動の相違が食害の差となった可能性が考えられる。

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© 2007 公益社団法人 日本水産学会
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