天然海を模した素掘池(5,300 m2)に捕食魚(タイリクスズキ)の存在する環境を設定し,人工種苗と天然種苗の放流試験を行った。その結果,人工種苗(生残率 56%)は天然種苗(同 86%)より食害されやすかった。水槽実験(水深 33.5 cm)による遊泳水深の比較では,放流直後の人工種苗は天然種苗に比べて表層を遊泳しやすく,素掘池での種苗の行動と一致した。また,フグ毒(TTX)の保有状況は,天然種苗は全て TTX を含有し,人工種苗は全く含有していなかった。種苗間の行動の相違が食害の差となった可能性が考えられる。