日本水産学会誌
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通電加熱前処理によるサケ塩干品の品質改良
松原 久田中 淳也成田 清一関 伸夫
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2007 年 73 巻 3 号 p. 470-477

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抄録

ブナザケ塩干品の品質改良のために通電加熱処理を製造工程に組み込み,その効果を検討した。45℃,5 分間の条件での通電加熱で,塩干品の硬さと凝集性が未加熱品に比較して低下し,脆弱化した。さらに,筋肉の筋節間が剥離した。その通電加熱条件でサケ肉の塩溶性タンパク質は不溶化したが,水溶性タンパク質の溶解度は高かった。製造過程を通じて筋肉タンパク質組成がほとんど変化しなかったことから,物性変化に対する自己消化の影響は小さかった。実用化を想定し,不定形のサケ肉片を導電液(0.5% NaCl)中に浸漬して通電加熱する方法を示した。

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© 2007 公益社団法人 日本水産学会
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