2007 年 73 巻 3 号 p. 505-507
植え継ぎ培養における対数増殖期のワムシ(バッチワムシ)と粗放連続培養における定常状態のワムシ(粗放連培ワムシ)を用いて,栄養強化試験を行った。その結果,粗放連培ワムシの増殖特性は栄養強化前後ともバッチワムシとほぼ同等レベルであった。さらに,強化後の n-3 系高度不飽和脂肪酸(n-3 HUFA)含量はバッチワムシよりも有意に高くなった。以上のことから,粗放連続培養により生産されるワムシの餌料価値は現状の種苗生産において有効と考えられる植え継ぎ培養の対数増殖期のワムシよりも優れていることが示唆された。