日本水産学会誌
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秋田県沿岸海域で漁獲されたハタハタ Arctoscopus japonicus の肉および生殖巣中の脂質成分の季節的変動
塚本 研一戸枝 一喜船木 勉和田 芙美子松本 祥子松永 隆司
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2007 年 73 巻 5 号 p. 897-904

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抄録

秋田県沿岸海域で漁獲されたハタハタ Arctoscopus japonicus の肉および生殖巣中脂質成分の季節的変動について調べた。肉中粗脂肪含量は 9 月に最高値,12 月に低い値を示したが,脂肪酸組成の有意な差はなかった。卵巣の重量と粗脂肪量は成熟とともに増加したが,脂肪酸組成の変動はなかった。これらの変動は摂餌と性成熟に関連すると考えられた。食品として 9 月は肉中粗脂肪含量が多く肉が美味であり,12 月は卵巣重量が多く卵巣が美味であると考えられた。加工方法としてハタハタ肉は塩干品やすり身への加工,卵巣は魚卵加工が期待される。

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© 2007 公益社団法人 日本水産学会
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