1.8 MHz と 1.1 MHz の超音波により照度や透明度に関係なく水中映像を撮影することができる音響カメラを用いて,エチゼンクラゲが観察可能かどうかを調べた。1.8 MHz で撮影された映像では,約 12 m の距離までエチゼンクラゲを形状で判別でき,映像からエチゼンクラゲの傘径計測も可能であった。約 10 m 以内であれば,傘を拍動する様子や,付随して遊泳するイボダイも観察でき,約 5 m 以内であれば触手も観察できた。1.1 MHz で撮影された映像では,大きさや浮遊の状態から約 25 m の距離までエチゼンクラゲを個々に識別できた。本研究により,音響カメラを用いることでエチゼンクラゲの行動観察や傘径計測,分布調査などが可能であることが示された。