2011 年 77 巻 5 号 p. 887-895
レトルト殺菌処理をすることでエビの組織が脆弱化する原因を探索した。試料は非加熱,ボイル,レトルトしたウシエビを用いた。組織強度測定,官能評価,X 線 CT・SEM・ESEM による構造観察,コラーゲンのゼラチン化率測定を行った。レトルト試料の組織は軟化し,弾力が失われた食感を示し,筋肉構造や筋繊維構造は崩れ,コラーゲンのゼラチン化率はボイル試料より高かった。エビはレトルト殺菌によりコラーゲンのゼラチン化が多く起こることで組織は脆弱化する可能性が示唆された。