マダイ人工種苗に出現した脊椎湾曲個体について,形態的な特徴の把握およびマイクロサテライト多型による遺伝的な検討を行った。湾曲個体の出現頻度は 4.6% であった。外観から背部の盛り上がりと側湾が,軟 X 線写真から脊椎骨の前湾,後湾,そして側湾が確認された。親子鑑定から,湾曲個体にはそれぞれ 2 個体の雌雄親魚が有意に関与し,本異常は遺伝要因が一因にあると推測された。ジェノタイプ頻度から,Pma-4*遺伝子座において湾曲個体では 90% の個体がアリル-113 を有しており,同アリルと湾曲の関連が示唆された。