天然魚と放流魚を含めた包括的な資源管理方策を検討するため,コホート解析により 1990~2002 年の鹿児島湾内マダイ資源尾数を推定した。その結果,放流魚資源は減少傾向を,天然魚資源は横ばい傾向を示した。放流魚漁獲量(CH)が 50 t 程度を越えると天然魚漁獲量が減少する傾向がみられたことから,本湾においては 50 t 程度の CH が期待される毎年 700~800 千尾の放流規模が適切と考えられた。資源動態モデルによる 2017 年までの漁獲量予測の結果,放流を継続し,かつ放流技術を改善し添加効率を高めることにより漁獲量を増加できると算定された。