2012 年 78 巻 2 号 p. 212-219
アカイカは北太平洋の沖合域で最も重要な漁業対象種の一つであり,適切な資源評価を行う上で,その基礎的な集団構造に関する情報を得ることは重要である。そこで,mtDNA の ND1 から 16SrRNA 遺伝子領域の塩基配列分析を行い,海域間の比較を行った。対照としてインド洋のアカイカを用いた。インド洋と北太平洋のアカイカ集団には有意な遺伝的な変異が認められた。一方,北太平洋の採集位置間には有意な遺伝的差異はなかった。今後,より変異性の高い領域を使って集団構造解析をする必要がある。