秋挿核における真珠品質の向上を図るため,交雑 2 年貝を 50 日間抑制し,閉殻筋の一般成分含量と糖代謝酵素活性を測定するとともに挿核試験を行った。グリコーゲン含量は抑制区で 19 日目から減少した。一方,酵素活性は抑制区のグリコーゲン分解酵素と解糖酵素が調査の進行に伴い増大したが,TCA 回路内の MDH 活性は徐々に減少した。生産された真珠の品質は,5, 9, 15 および 19 日目の商品珠率が高かった。以上の結果から,グリコーゲン含量の測定により,挿核に適した貝の生理状態を判断できると考えられた。