日本水産学会誌
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炭素・窒素安定同位体比に基づく紀伊水道におけるタチウオの栄養段階
土居内 龍安江 尚孝武田 保幸
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2012 年 78 巻 3 号 p. 479-481

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抄録

炭素・窒素安定同位体比に基づき紀伊水道産タチウオの栄養段階を推定した。肛門前長 25~502 mm のタチウオ 59 個体は,δ13C が−17.8~−15.2‰, δ15N が 13.8~19.4‰ であった。栄養段階は 2.6~4.2 と推定され,主に 3 と 4 に位置づけられた。栄養段階は肛門前長 250~299 mm の階級までは成長に伴って上昇し,これ以降は上昇しなかった。成長に伴う栄養段階の上昇は,動物プランクトンからエビ類や魚類への食性の変化を反映し,その後の魚食性の進行は栄養段階の上昇を伴わないものと推察された。

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© 2012 公益社団法人 日本水産学会
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