2012 年 78 巻 5 号 p. 934-944
ヤマトシジミ種内の地域集団構造を調べるため,東アジアから採取したヤマトシジミおよび対照群において mtDNA-COI領域のシーケンス分析を行った。その結果,ヤマトシジミ種内では,1)ロシア・北海道・本州日本海側グループ,2)太平洋側グループ,3)朝鮮半島北東グループ,4)朝鮮半島南西グループの 4 つの明確なクラスターに分かれ,地理的分化による地域集団構造が示唆された。一方,利根川と桑名の 2 地域から採取したサンプルは地理的関係を反映しておらず,過去の移植放流の影響が推測された。