2014 年 80 巻 1 号 p. 16-20
海産自由生活性線虫類を迅速に同定するために,広島県地御前干潟の線虫類について分子生物学的手法を検討した。96 検体の内 89 検体の 18S rRNA 遺伝子の部分配列が増幅され,97%以上の相同性で 22 の系統型(phylotype)に分けた。内 2 つの系統型はデータベースに登録されている種であると推定され,残り 20 の系統型については系統解析から目や科を推定するに留まった。分子生物学的手法は種数や多様性を求めるには有効であるが,種レベルでの組成変化を検討するためには塩基配列データの蓄積が必要である。