2014 年 80 巻 1 号 p. 56-58
ハタ類の種苗生産技術は確立されつつあるが生理・生態の基礎的な知見は不足している。そこで本研究では,クエとマハタ稚魚の秋~冬季の低水温期の成長量および摂餌量等を計測して比較した。また,クエについては上記試験の後に個体識別し,水温が上昇する春季まで調査を継続した。この結果,同日齢のマハタはクエよりも低水温期の成長は大きく,クエおよびマハタの摂餌量はそれぞれ飼育水温が 18°C および 16°C を下回ると急激に減少することが示された。また,クエでは体重の大きい個体ほど低水温期の成長も大きいことが示された。