2014 年 80 巻 4 号 p. 613-615
浮上後 10 日目(尾叉長 35 mm)から 58 日目(54 mm)までの飼育条件下のサケ稚魚の群れ行動を頭位交角(SA)と個体間距離(NND)を指標として検討し,野生魚(40 mm, 52 mm)とも比較した。SA は 48.5-59.2°の範囲にあり浮上後から高い斉一性を示し,成長に伴う変化はみられなかった。NND は体長 50 mm まで体長比 0.5-0.7 であったが,体長 50 mm 以上になると 0.9 へと有意に拡大した。これは飼育魚・野生魚とも同様であった。サケ稚魚の群れ行動への飼育による顕著な影響は認められなかった。