日本水産学会誌
Online ISSN : 1349-998X
Print ISSN : 0021-5392
ISSN-L : 0021-5392
報文
タテボシガイ貝殻を用いた鉛吸着剤の開発
道川 慧太渡邉 哲弘豊原 容子佐藤 敦政豊原 治彦
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 80 巻 4 号 p. 589-593

詳細
抄録

琵琶湖周辺で食用とされているイシガイ科の二枚貝であるタテボシガイの貝殻の有効利用を目的として,金属吸着凝集材の開発を試みた。貝殻粉末の鉛,六価クロム,ヒ素に対する吸着能を調べたところ,鉛に対して特に高い吸着能を示した。鉛に対する吸着能は,ホタテガイ,マガキ及びアコヤガイの貝殻粉末でも認められた。タテボシガイ貝殻を焼成することによって表面の多孔質化とカルサイト化が認められ,鉛に対する吸着能の向上が確認された。貝殻粉末に少量のポリマーを添加することで,吸着能に加え凝集能を付与することに成功した。

著者関連情報
© 2014 公益社団法人 日本水産学会
前の記事 次の記事
feedback
Top