クルマエビ筋原繊維(Mf)の温度安定性を明らかにするために,Ca-ATPase 活性を指標として検討した。加熱による Mf の同活性の失活は初期に速く後期は遅い速度の二相の一次反応式に従い,それぞれの速度はスケトウダラとニジマス Mf と近似した。二相の失活は F-アクチンを加えて加熱しても変わらなかった。Mf の同活性の至適温度は,意図的に加熱して初期の失活を除くことで上昇した。以上の結果,同エビから調製した Mf の温度安定性は,一部は安定な状態と他方はそれより不安定な状態にあることが示唆された。