日本水産学会誌
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短報
著しく脆弱な物性を呈するボイルナマコ製品の性状
成田 正直水田 尚志若林 克典宮崎 亜希子佐藤 暁之清水 茂雅古田 智絵辻 浩司
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2015 年 81 巻 5 号 p. 849-851

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抄録

乾燥ナマコ製造において著しく脆弱なボイルナマコの発生が指摘されている。このため,脆弱なボイルナマコの性状を調査した。突き刺し強度は通常ナマコが 400-1,000 g の範囲であったのに対し,脆弱ナマコは 40-400 g と著しく低い値を示した。アザン染色による組織観察から,コラーゲン繊維の組織内分布密度が低下していることが推察された。成分的には水分,粗灰分が多く粗タンパク質,ヒドロキシプロリンが少なかった。脆弱ナマコから調製した乾燥品は疣立ち不良や扁平個体が散見され,通常ナマコに比べて品質が劣っていた。

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© 2015 公益社団法人 日本水産学会
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