2016 年 82 巻 4 号 p. 581-586
秋田県米代川において,サクラマス降海型雌に対するペア雄の生活史型と,産卵環境および産着卵の発眼率の関係について調査した。ペア雄が残留型(ヤマメ)であった場合の産卵床の水深,流速,礫径およびカバー(隠れ場所)の利用割合は,ペア雄が降海型の場合と有意差が認められなかった。産着卵の発眼率についても有意差が認められなかった。体サイズが小型の残留型雄でも再生産効率が低下しなかったため,サクラマスの資源増殖を図るためには,降海型のみならず残留型についても適切な資源管理を行っていく必要性が示唆された。