2017 年 83 巻 1 号 p. 25-33
我が国5海域における珪藻Skeletonema属の種組成を,遺伝子解析(LSU rDNA D1-D3)と微細形態の特徴から種を同定し,明らかにした。亜熱帯域の沖縄海域ではS. grevillei,温帯域の有明海,富山湾,女川湾および亜寒帯域の噴火湾ではS. dohrniiが優占し,S. japonicumが混在した。高水温期に塩分の低かった有明海や富山湾ではS. costatumが,塩分30以上の女川湾や噴火湾では順にS. grevilleiとS. pseudocostatumが出現した。