2021 年 87 巻 6 号 p. 631-641
鹿児島県北西部の長島では,東シナ海に面した場所の褐藻アントクメ群落が環境省モニタリングサイト1000によって2010年から毎年調査されている。本種の消失が2016年の調査で確認されたことから,長島沿岸の藻場の分布状況を2019年に調査し,2005年の結果と比較した。その結果,本種の群落は長島の東シナ海に面した沿岸の広域で消失し,八代海側でのみ見られた。また,ヒジキを含むホンダワラ類も東シナ海に面した沿岸から消失していたことから,東シナ海側と八代海側で藻場の状況が大きく異なることが明らかになった。