2022 年 88 巻 4 号 p. 271-283
沖縄県内で発生しているシガテラの原因検体から,分子系統解析による魚種の種判別を目的とした。沖縄島および周辺離島海域で漁獲されたシガテラの主な原因魚種であるバラハタ,イッテンフエダイ,バラフエダイとそれらに類似した形態をもつ5種を収集した。証拠標本として種毎に1個体は博物館相当施設に収蔵された。さらに沖縄衛環研へ搬入されたシガテラの原因検体からDNA抽出し,16S rDNAによる分子系統樹解析を行った。その結果,シガテラ原因検体の種判別に成功し,証拠標本に基づく分子系統樹判別の有効性が確認された。