論文ID: 16-00035
ノトイスズミの消波ブロックへの蝟集実態を把握するため,壱岐市和歌漁港で2010年4月から2015年2月にかけて潜水調査を実施した。消波ブロックでは1月から4月に200個体以上の大規模な蝟集が頻繁に観察された。大規模な蝟集の出現と水温の間には有意な相関があり,水温16.9℃以下の期間に蝟集が確認される傾向があった。また,長崎県と宮崎県の4地点でも調査を行い,冬から春に本種の消波ブロックでの蝟集を確認した。本研究は九州西部及び南東部の各地で冬から春に本種が消波ブロックに蝟集する可能性を示唆する。