論文ID: 16-00044
外来魚の影響を加味しながら,在来タナゴ類の保全候補地の相補的選択を試みた。タナゴの保全目標数は各種の出現割合に,外来魚の影響は種数と侵略リスクに応じて設定した。外来魚の影響を加味しない場合とする場合の2通りを解析した結果,タナゴ類の分布のみを考慮した優先保全地域から,外来魚の影響の大きい地点が外れ,残りの地点から外来魚の影響が小さく,タナゴ類が生息する地点が代替された。本結果は,外来魚の影響を受けにくい保全候補地を示すとともに,タナゴの保全に寄与する外来魚駆除候補地も明示している。