論文ID: 17-00057
三重県外湾漁業協同組合所属の13漁港における2014年4月20日~8月31日のパネルデータを用いて,マトウダイの産地市場価格形成について検討する。一般的に,産地市場では供給量が価格に反応しないと考えられるので,価格と数量のデータは右下がりの需要曲線に従うことが予想される。しかし,漁獲物の品質・全国価格・代替財価格・気象条件などを考慮した回帰分析の結果,当該魚種では数量と価格の間に右上がりの関係があることが示された。このようなパターンが観察される理由に関し,本研究ではいくつかの可能性を提起する。