論文ID: 18-00002
高知県土佐市宇佐漁港内の沖堤防にある造成カジメ海中林の魚類群集の構造を2年間にわたり毎月潜水観察で調べた。その結果,造成カジメ海中林は,メジナやブダイなどの周年定住種だけでなく,ムツなどの季節定住種やアオヤガラなどの一時来遊種にも利用されていた。また,造成カジメ海中林の魚類群集の構造を高知県幡多郡田野浦にある天然のカジメ海中林のものと比較したところ,両者に大きな違いは認められなかった。したがって造成カジメ海中林は,魚類にとって天然カジメ海中林と同様の生息場機能を果たしていると考えられた。