論文ID: 20-00070
人工種苗由来の完全養殖ウナギの白焼きについて,官能評価および化学・物性分析を行った。成鰻生産,焼成加工は静岡県内の養魚場,加工場で行った。同所で生産した天然種苗由来の従来型養殖ウナギを比較対照とした。官能評価では,完全養殖の方が脂ののり良く,皮がかたいと評価された。一方,化学分析では,脂質含量に差は無かったものの,粗脂肪中の高度不飽和脂肪酸は完全養殖の方が有意に少なく,官能評価に影響した可能性がある。また,物性分析によれば,身と皮の破断強度は完全養殖の方が有意に高く,官能評価の結果と一致した。